移住者が伝える
知床の魅力。
観光客として来るのではなく、住んでみてわかったこと。日課になった漁港通い、凍りついた滝、流氷の割れ目に潜むクリオネ、羅臼岳と星空——暮らして出会った、知床の魅力を紹介します。
四季の記憶
観光で一度来ただけでは、絶対に気づかないことがある。毎日通うから見えてくる変化、地元にいるから知っている場所。
流氷の上を歩くだけで十分すごいのに、さらに上がある。大きな流氷と流氷の割れ目をのぞき込み、水面ぎりぎりまで顔を近づけてみると透明な小さな生き物が漂っている。クリオネだ。知床に移住して初めてできた「クリオネハンティング」。
知床自然センターから雪道を歩くこと20分。現れたのは、完全に凍りついた滝だった。夏に流れていた水が、そのままの形で止まっている。途中の森ではキツツキの音が響き、大量のエゾシカに遭遇した。この静けさは、冬にしか存在しない。
プユニ岬への道中、海岸線に沿って流氷が広がっている。防波堤の向こうに広がる氷の海と、そこに沈んでいく夕陽——この光景は、冬の知床にいる人間にしか見られない。岬に登るほど視界が開け、流氷が埋め尽くすオホーツク海と空のグラデーションが一望できる。住んでいた一年で、何度足を運んでも飽きなかった場所だ。
知床峠が冬期通行止めになる冬は、プユニ岬が星見の場所になる。光害がほとんどない知床の夜空は、星の数が多すぎて星座を見つけるのも大変なくらいだ。天の川も流れ星も、都会では想像もできない密度で広がっている。新月の夜が一番よく見える。
4月半ば、アイヌねぎ(行者ニンニク)が芽吹く。初めて見たとき、イメージしていたねぎとはまったく違う形で、これが本当にねぎなのかと目を疑った。味もねぎというより、ニンニクとにらを合わせたような力強い風味。採れたての香りは、格別。
3月後半、気温が少し上がり始めると、強風の晴れた日に不思議な光景が見られることがある。溶けた雪が風に吹かれて水しぶきになり、陽光を受けて虹が現れる。一年を通じて何度も知床に来ても、この瞬間には出会えない。住んでいたから見られた偶然だった。
港のそばから眺めても海は十分きれいだが、オロンコ岩に登ると透明度の違いが一目でわかる。階段が整備されていて、頂上まで約15分。登っている途中、岩場の隙間からカナヘビが顔を出す。
知床では秋に獲れる鮭のことを「アキアジ」と呼ぶ。漁港をのぞくと、その主役たちが港の中を悠々と泳いでいたり、水面からジャンプしている姿が見られる。わざわざ川に行かなくても、港の岸壁から見下ろすだけでいい。
この街に初めて来た日、夕陽台展望台から見たウトロの街を染める夕日が忘れられない。一方で、オロンコ岩の上からの夕日は空いていて、海と空だけが広がる。どちらも正解で、どちらも知床にしかない夕日だ。
知床は日本一鮭が獲れる町。夏から秋にかけては、一般の釣り人もサケ釣りが楽しめる。川を遡上する鮭の姿は圧巻で、釣れたときの引きは格別。
鮭テラスから漁港を見下ろすと、その日の水揚げ量が一目でわかる。水揚げ量が多い日は港がアキアジでぎっしり。連日通うと、日々の水揚げ量の違いも見て楽しめる。
6月中旬、漁師さんたちがその年の豊漁を願う大漁祈願祭が行われる。港にはカラフルな大漁旗をなびかせた船が何隻も並び、いつものウトロとは違う賑やかさがある。普段は静かな漁港が、この日だけは色鮮やかに染まる。
流れる水が温かい。それだけで十分すごいのに、さらに驚いたのは帰り道。登ってきた滝の一部、なだらかな岩の斜面をそのままウォータースライダーのように滑り降りられる場所があった。
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知床峠が通れる夏、夜の峠に立つと羅臼岳のシルエットと満天の星が同時に見える。星の数が多すぎて、星座を見つけるのも大変なくらいだ。天の川はもちろん、流れ星も頻繁に流れる。夏でも峠はとても寒いので防寒は必須。三脚があれば、息をのむような写真が撮れる。新月の夜が一番よく見える。
ウトロで食べる
知床に住んで、何度も通った店。ここでしか出会えない味がある。
看板メニューは「知床漬け丼」。知床で獲れた鮭をたっぷり使ったどんぶりで、一杯食べるだけでこの土地の豊かさが伝わってくる。地元スタッフが真っ先にすすめる、ウトロを代表する一杯。10:30からオープンしているので、遅めの朝ごはんに海鮮丼を食べるのもおすすめ。
知床で育った和牛100%の本格バーガー。食べ応えがあり、一口ほおばると和牛の旨みが広がる。知床の大地で育った牛を、バーガーで味わえる。一度食べると、また食べたくなる。はじめて来るなら、まず看板メニューのWOOT BURGERを。
知床まで来る旅人は、どこか似ている。自然が好きで、少し冒険心がある。ピリカデリックは、そういう人たちが夜に集まるcafe&bar。日本人観光客だけでなく、世界中から来た旅人と話せる。一人で来ても、気づけば誰かと語り合っている。そういう夜が何度もあった。パスタメニューが豊富で、個人的なおすすめはラザニアと鰤スモーク。
定食屋でありながら居酒屋メニューもある一軒。全部の定食がボリューミーで、食べ終わった頃には確実にお腹がいっぱいになる。そして、料理長(大将)が気さくに話しかけてくる。それがまた、ここの魅力のひとつ。
テーブル席ではジンギスカンをじっくり楽しめる。カウンターに座ると、ジンギスカンはもちろん、マスターとの会話も一緒に楽しめるそれがこの店のおもしろさ。個人的なおすすめは鮭とば、フライドポテト、清里焼酎のソーダ割り。清里町産のジャガイモ焼酎で、焼酎が苦手な人にも飲みやすい。
知床へ行くなら
住んでわかった実用情報。
→ 気象庁 海氷予想図(10日先まで)
ただ、流氷がなくても冬の知床には来る価値がある——凍った滝、静寂の森、オオワシの飛翔。
→ 斜里町 海浜サケ・マス釣りルール
ドライブで行く
ウトロを拠点に、車があればもっと遠くへ行ける。住んでいた人が実際に行った、周辺のおすすめスポット。
凍った湖の上に立ち、穴を開けてワカサギを釣る体験。餌をつけて糸を垂らすと、一度に数匹釣れることもある——そのときのテンションは格別だ。防寒対策は必須。北海道の冬ならではの体験。
スタート地点に立つと、正面には北海道らしい長くまっすぐな道が地平線まで続いている。右に目を向けると、オホーツク海へと続く道も見える。冬には流氷が見えることも。道を少し下ると展望デッキがあり、北海道の広大な土地を一望できる。
シマリスに直接餌をあげる体験ができる公園。手のひらに乗ってくることも。知床には野生のエゾリスやシマリスも生息しているので、運が良ければドライブ中や散歩中にも出会えるかもしれない。
5月末頃、公園一面に濃いピンク色の芝桜が咲き誇る。見渡す限りのピンクの絨毯は、北海道の広い土地だからこそ見られる光景だ。
知床で働く
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知床に住む
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なぜ作ったか
2025年、東京から斜里町に移住しました。都会では想像もできなかった大自然が、ここには当たり前のようにありました。漁港通い、凍った滝、クリオネハンティング、満天の星空、アイヌねぎ取り、釣り、野生動物との遭遇——観光では出会えない知床の魅力に気づきました。知床に訪れる人に伝えたい、知床での記憶を、このサイトに残しています。
このサイトに掲載している写真は、知床での暮らしの中で撮り集めたものです。一部は友人の厚意により提供いただきました。
(連絡先をここに追加できます)





































